機械操作負傷事案における安全配慮義務としての危険防止措置義務と安全教育実施義務

 「はさまれ・巻き込まれ」事故は、「転倒」、「墜落・転落」に次いで3番目に死傷災害が多い事故類型です。機械操作中に傷害を負った事案の損害賠償請求事件が多いです。

 労働者が機械操作により負傷した場合、使用者の安全配慮義務は、主に危険防止措置義務と安全教育実施義務が問題となります。

 危険防止措置義務について、労働安全衛生20条は、事業者に対し、機械、器具その他の設備による危険を防止するため必要な措置を講じる義務を定めています。これ自体は抽象的な規定で、具体的内容は厚生労働省令(労働安全衛生規則)に委任されていますが、使用者の安全配慮義務の内容にもなります。

 半自動最中皮焼成機の熱せられた金型に左手の親指を挟まれて火傷を負うなどした事故につき、福岡地裁判決(平成25年11月13日)は、「誤って人体が挟まれないような、あるいは、誤って人体が挟まれてしまったら直ちに解放できるような安全装置がない」ことを安全配慮義務違反と認定しました。

 安全教育実施義務について、労働安全衛生法59条と60条は、労働者を雇い入れたとき、労働者の作業内容を変更したとき、危険有害業務従事時、建設業等の職長就任時は、当該労働者に対し、その従事する業務に関する安全または衛生のための教育を行う義務を定めています。これも抽象的な規定ですが、使用者の安全配慮義務の内容になります。

 福岡地裁判決は、「最中皮の焼成作業に従事したのが10回程度の原告に対し、金型に手指が挟まれた場合の解放方法の教育を十分にしない」ことを安全配慮義務違反と認定しています。

 使用者としては、労働者に対し、作業手順や注意事項、事故発生時における対応等について、この内容を記載した書面を交付するか、口頭で十分に説明した上で、その内容や意味を正確に理解していることを確認する必要があります。これを怠ると、安全配慮義務違反になりますので、留意してください。

 さらに、経験の浅い労働者には安全教育を実施するとともに、助手を配置していれば事故を防ぐことができることもあります。福岡地裁判決は、「事故防止のための監督や事故発生の場合に直ちに支援できる者のいない状況で」最中皮焼成作業に従事させたことを安全配慮義務違反と認定しています。

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  • 機械操作中事故防止マネジメントシステムの基礎-弁護士兼安全衛生推進者の立場から(対象:経営者、人事労務管理スタッフ) 《化学物質による疾病防止バージョンあり》
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