著作権が成立する著作物とは?

 著作権法における著作物とは、思想または感情を創作的に表現したもので、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するものをいいます。あくまで表現を保護するので、思想や感情そのものを保護するものではありません。著作物に当たるかどうかは、創作性が認められることが重要であり、個性が現れているか、他の選択肢があり得るかといった点から判断されます。

 著作権法は、著作物として、①小説、脚本、論文、講演その他の言語、②音楽、③舞踊、無言劇、④絵画、版画、彫刻その他の美術(美術工芸品を含む)、⑤建築、⑥地図、学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形、⑦映画、⑧写真、⑨プログラムを例示しています。

 このうち著作権が認められる言語表現としては、著作権法の例示のほか、俳句や標語、手紙、インタビュー記事などが挙げられます。ウェブサイトに掲載した転職情報や、電子掲示板への書き込み文も、文章全体から思想や感情が表現されていれば著作物に当たります。

 事実や歴史に関する記述は、原則として、思想や感情の表現ではなく、創作性はみとめられません。著作権法も「事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道」は著作物に該当しないと規定しています。ですから、ニュース記事の見出しや歴史上の人物の略歴などは著作物とはいえません。しかし、事実の選択または表現に思想・感情が示されている場合は別です。例えば、報道でも新聞記者の思想が表現された署名記事、新聞社の社説は著作物と認められますし、歴史の記述でも、伝記文学、筆者の思想に基づく史料の取捨選択・表現は著作物と認められます。単文では思想または感情が示されているとはいえないとしても、複数の文章や段落をまとめると思想または感情が示されていると認められる場合があります。事実や歴史に関する記述であれば著作権が認められないとは一概に言えませんので、留意してください。

 また、写真については、被写体、機材、撮影方法、撮影技法の選択について、独自の創意と工夫がなされていれば、思想・感情の創作的な表現と認められます。あくまで表現を保護するので、被写体の構図や配置そのものは保護されず、同じ被写体を同じ方法で撮影しても複製や翻案とは認められません。個性が現れている写真であれば著作物と認められるので、いわゆるプリクラ写真でも、公図、色彩、シャッターチャンスなどに創作性があれば著作物と認められることがあります。これに対し、証明写真自動撮影機で撮影した写真には創作性が認められないでしょう。

 


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