インサイダー取引はコンプライアンス違反

 インサイダー取引とは、一般的に、未公表の内部情報を有する者が、当該情報が公表される前に有価証券の売買などの取引を行うことをいいます。ここでいう内部情報とは、有価証券の価格を上昇させる要因となる重要事実、または有価証券の価格を下落させる要因となる重要事実を指します。

 インサイダー取引の目的は、利益を上げること、または損失を回避することです。前者の目的を達成するため、価格上昇要因事実が公表される前に有価証券を買い、当該事実の公表により値上がりした後に当該有価証券を売るか、価格下落要因事実が公表される前に借り入れた有価証券を売り(空売り)、当該事実の公表により値下がりした後に当該有価証券を買い戻すことがインサイダー取引となります。後者の目的を達成するため、価格下落要因事実が公表される前に有価証券を売ることがインサイダー取引となります。

 近年、インサイダー取引は増加傾向にあり、その要因として、株式公開買付けや企業再編の増加により、これに関与する者が多数となり、内部情報が拡散すること、内部情報を得た者が、対面販売ではなく、ネット取引をするので、インサイダー取引をするのが容易となっていることが挙げられています。

 企業としては、インサイダー取引が発覚すると、課徴金や罰金の納付による経済的損失を受けるだけでなく、コンプライアンス違反として、遵法精神や情報管理への疑念が広がり、企業のイメージダウンにつながり、顧客、取引先、金融機関等ステークホルダーの信用低下を引き起こし、営業収益が減少するとともに、役員が株主代表訴訟を提起される事態になるおそれがあります。そのほか、証券取引等監視委員会の調査や検察庁の捜査への対応をしなければなりませんが、この対応するために多大な苦労を余儀なくされます。

 そのため、上場会社に限らず、企業は、インサイダー取引を防止するために、インサイダー取引防止体制(相談・通報体制、内部監査)の整備、インサイダー取引防止規程や情報管理規程の策定、社内外の情報管理や電子データ管理の徹底、社員教育などの措置を講じなければなりません。

 


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