会社関係者のインサイダー取引が禁止される内部情報とは?

 金融商品取引法は、当該上場会社の内部情報(業務等に関する重要事実)として、業務執行を決定する機関が、①資本金の額の減少、資本準備金または利益準備金の額の減少、②自己の株式の取得、③解散、④金融商品取引所に対する株券の上場廃止申請、⑤破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始の申立て等の実施を決定したこと、または公表された決定事項の中止を決定したことを挙げています。

 ただし、金融商品取引法は、投資者の投資判断に及ぼす影響が軽微なものを除いており(軽微基準)、上記に挙げた決定事実は軽微基準がないのですが、例えば、新たな事業の開始については、事業開始日の属する事業年度開始の日から3年間の売上高の増加額が直近の売上高の10%未満と見込まれ、かつ事業開始のための特別支出額が直近の固定資産の帳簿価額の10%未満と見込まれるのであれば、規制の対象となりません。

 上記の①と②の決定事実のほか、株式・新株予約権の引受者の募集は親会社のみの内部情報となりますが、それ以外の決定事項は当該上場会社の子会社における内部情報にもなります。そこで、上場会社としては、子会社情報においてもインサイダー取引とならないのかを目配りしなければなりません。

 なお、業務執行決定機関については、代表取締役や取締役会だけでなく、決定事実によっては常務会や経営会議もなり得ます。この点を、「インサイダー取引防止規程」に定めておくとよいでしょう。

 また、主要株主の異動や上場廃止(いずれも親会社のみ)等、当該上場会社において発生した事実も内部情報となります。発生事実については、当該上場会社以外の者による破産手続開始の申立て、当該上場会社または債務者にかかる不渡り、親会社にかかる破産手続開始の申立て等があり、これらの事実は主要株主の異動とともに軽微基準がありません。

 そのほか、当該上場会社またはその属する企業集団の売上高、経常利益、純利益、剰余金の配当について、公表された直近の予想値に比較して当該上場会社が新たに算出した予想値または当事業年度の決算における差異(決算情報)も、内部情報となります。軽微基準はありますが、子会社情報も規制の対象となります。

 決算情報だけでなく、過去には、粉飾決算、決算数値の過誤、不適切な会計処理といったケースが摘発されていますが、金融商品取引法上、当該上場会社の運営、業務または財産に関する重要な事実であって投資者の投資判断に著しい影響を及ぼすものが基準となります。

 また、個人情報の漏洩(流出)についても、その内容や規模によっては、投資者の投資判断に著しい影響を及ぼす事実になり得ます。

 企業としては、自社または他社の内部情報を知り得る役員・社員のインサイダー取引を自主規制する必要があります。

 


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