新たな事業の開始はインサイダー取引が禁止される重要情報となるか?

 新規事業を開始する上場会社や、その上場会社と取引をしている会社に勤務しているとき、その情報を知って上場会社の株式を買うとインサイダー取引になることがあるのでしょうか。

 新たな事業の開始は、会社の業務執行を決定する機関が実施を決定したら、上場会社の役員や社員、その取引先の役員等がこの事実を職務に関し知ったときに株式の売買をすると、インサイダー取引に当たることがあります。

 業務執行を決定する機関とは、実質的に決定する権限のある機関が決定したことをいい、代表取締役や担当取締役が決定すればよいのか、取締役会が決定しなければならないのか、経営会議や常務会の決定で足りるのかは、その事業によって異なってきます。

 経営として事業化するという正式決定前の検討または調査中という状態が、担当取締役の

レベルでも何ら決定をしていないのであれば、規制の対象とはなりません。

 正式決定をする機関が取締役会であったとしても、事業の内容によっては、取締役会の決議がなくても、金融商品取引法上は「決定」となる可能性はあります。

 ただし、仮に新たな事業の開始が決定されたとしても、事業開始日の属する事業年度開始の日から3年間の売上高の増加額が直近の売上高の10%未満と見込まれ、かつ事業開始のための特別支出額が直近の固定資産の帳簿価額の10%未満と見込まれるのであれば、規制の対象となりません。

 ですから、インサイダー取引に該当するかどうかは新規事業ごとに検討しなければならないということになります。

 企業としては、インサイダー取引自体を禁止または許可制にして、規程を作成・周知することが必要です。

 


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