時間外労働の割増賃金を抑えるために代替休暇を導入するか?

 時間外労働(残業)が月60時間を超えた場合には割増率が25%から50%に引き上げられていますが、この割増賃金支払義務について中小事業主は猶予されていました。しかし、労働基準法が改正され、この猶予措置が2019年4月1日に廃止される予定です。

 一方、労働基準法は、労使協定の締結により、月60時間超の時間外労働(残業)に対する割増率引上げ分(25%分)の割増賃金の支払いに代えて、有給の休暇(代替休暇)を付与することができることとしています。なお、代替休暇を取得しても、改正前の25%分は割増賃金を支払わなければなりません。

 中小事業主が割増賃金の支払総額を抑えるためには、代替休暇を導入することになります。

 労使協定の内容は、①代替休暇として与えることができる時間の時間数の算定方法(換算率)、②代替休暇付与の単位(1日または半日)、③代替休暇を与えることができる期間(2か月以内)、④代替休暇の取得日の決定方法および割増賃金の支払日の4つです。これを就業規則にも定めておきましょう。

 ただし、就業規則に規定があっても、代替休暇を取得するかどうかは労働者の自由であり、実際に代替休暇を取得しなかった場合には50%分の割増賃金の支払いが必要となります。

 そのため、制度や運用が複雑化することになるので、企業としては、就業規則の変更による代替休暇の導入について慎重に検討した方がよいです。

 この制度とは別に、残業時間数を通算して1日の所定労働時間に達したときに1日の代休を与えるという扱いをしている企業があります。しかし、労働基準法上、残業時間分を他の日の労働時間に振り替えることは許されません。ただし、25%分の残業割増賃金を支払うのであれば、代休を取得する扱いは違法ではありませんので、代休制度の設計の際には留意してください。


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