従業員の顔写真と個人情報保護

 社員証に各従業員の顔写真を掲載していますが、会社が運用しているイントラネットにおいても顔写真を掲載するとしたら、全ての従業員から同意を得なければならないのでしょうか。

 まず、従業員本人を判別できる状態で顔写真を利用する場合、個人情報に当たります。

 個人情報保護法上、個人情報は利用目的をできる限り特定し、その利用目的の範囲内で利用しなければなりません。

 特定した利用目的を変更する場合は、変更前の目的と関連性を有する範囲を超えてはならないのですが、逆に言うと、関連性があれば利用目的を変更することができます。

 イントラネットで顔写真を掲載することは、社員証の利用目的と関連性があるともいえますが、社員証を作成する際にどのような利用目的を通知したのかが問題となります。社員証のみに利用すると従業員に通知したのであれば、この範囲を超えて顔写真を取り扱ってはなりません。

 一方、あらかじめ従業員に通知した利用目的がイントラネットへの掲載と関連性を有すると合理的に認められるのであれば、利用目的に追加することができます。利用目的を変更した場合は、個人情報保護法に基づき、その目的を全ての従業員に通知しなければなりませんが、個別に同意を取得する必要はなく、通知をするだけで足ります。

 法改正により関連性のある目的に利用できる範囲が広がったとはいえ、企業としては、従業員の個人情報を安易に使い回すことは厳に慎むべきでしょう。利用目的に関連性がある場合でも、業務上の必要性があり、合理的な手段をもって個人情報を取り扱うよう、ご留意ください。

 なお、イントラネットへの掲載をする際には、顔写真にコピーガードを掛けたり、顔写真を含む他の従業員の個人情報の流出を禁じたりするなどの措置を併せて講じるようにしてください。就業規則に定めがないとしたら、服務規律に個人情報漏洩を禁止し、事情によって懲戒処分ができるよう明文化しておくことが肝要です。

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