事業承継の準備開始からM&Aの実行までのコンサルティング

 親族内や企業内に適任者がいない場合でも、後継候補者を外部に求めて事業を継続させることができるのがM&Aです。これにより、経営者が売却利益を得るだけでなく、従業員や取引先などステークホルダーへの社会的責任を果たすことができます。そこで、後継候補者の有無にかかわらず、M&Aの活用を検討してみましょう。

 M&Aにおいても、親族内承継や従業員承継と同様に、まず経営者が早期に計画的な準備に着手する必要性を認識し(気づき)、経営状況や経営課題を把握し(見える化)、本業の競争力強化、経営体制の総点検と経営強化を実行して第三者にとって魅力のある経営状態に引き上げる(磨き上げ)ことが必要です。これにより、企業価値が向上して譲渡価格も上昇します。

 以下では、気づき→見える化→磨き上げ(プレM&A)→M&Aの実行→M&A後の統合(PMI)の流れに沿い、弁護士兼中小企業診断士・佐久間大輔が提供するコンサルティングサービスの概要を説明します。

 各段階において気になる点やお悩みの点がございましたら、経営面および法務面からアドバイスをしますので、お気軽にご相談ください。

1. 現状の把握

 事業承継に向けて経営者が準備の必要性を認識し、会社、経営者や後継者の現状を把握します。

 【コンサルティング】沿革、経営理念、業種、事業内容、仕入先や販売先、取引金融機関、株主や役員・従業員の構成(数・年齢)、財政状態(資産・負債)や経営成績(売上高・費用・損益)、組織体制や規程、経営者個人の資産や負債・保証等に関するヒアリング、提供資料や事業・財務内容等の分析

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2. 環境分析と課題設定

 外部環境(機会・脅威)と内部環境(強み・弱み)より後継者が主導してSWOT分析とクロスSWOT分析を行い、経営課題を設定するとともに、事業承継における課題を整理して、経営者と後継者が共有します。

 【コンサルティング】SWOT分析等の支援、課題設定に関する助言・提案

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3. 長期経営計画の策定・実行

 クロスSWOT分析を基に長期経営計画を策定して経営戦略を立案するとともに、計数計画、各種施策の行動計画(アクションプラン)を策定、実行します。新事業活動や経営力向上に取り組む場合は、経営革新計画や経営力向上計画を策定します。

 一方、経営状況が窮境に陥っている場合は、経営改善施策を立案し、事業再生計画または経営改善計画、計数計画、行動計画を策定、実行します。金融支援案を策定し、リスケジュールやDDSについて、金融機関と交渉して借入契約を見直します。

 【コンサルティング】経営理念や経営戦略に関する助言・提案、各種計画の策定・実行の支援、金融支援案の策定支援、弁護士として金融機関調整の交渉代理、契約書類の作成

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4. 自社株式や事業用資産の集約

 買主側は100%の株式譲渡を希望するので、自社株式を売主側の経営者に集約し、事前に名義株の解消や所在不明株主の株式等の競売または売却(自社による買取を含む)をしておきます。株主名簿の作成・変更、これに併せた株券の交付を正確に行います。事業用資産の集約、担保解除や紛争解決も行います。

 【コンサルティング】株式・資産集約に関する助言・提案、弁護士として株式・資産の買取や名義株主との合意に関する交渉代理、契約書類の作成

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5. M&Aの実行

 仲介契約またはアドバイザリー契約の締結、ノンネーム・シート(簡易な紹介資料)またはティーザー(売主側の魅力を端的に伝える初期打診資料)や企業概要書(インフォメーション・メモランダム)の作成、秘密保持契約の締結、トップ面談・企業見学、基本合意の締結、買収監査(DD/デュー・デリジェンス)の実施、最終契約の締結、契約実行(クロージング)の順序で行います。

 【コンサルティング】M&Aの内容や手続、DDに関する助言・提案、法務・事業DDの実施(買主側)、弁護士として交渉代理、各種契約書・資料の作成

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6. M&A後の統合(PMI)

 買主側は、クロージング完了後PDCAサイクルにより、経営統合、信頼関係構築および業務統合を実行します。売主側においても、経営者が一定期間顧問に就任するなどしてPMIに協力することがあります。

 【コンサルティング】PMIに関する助言・提案、統合計画の策定・実行の支援(買主側)

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7. 不採算部門が残存した場合

 採算部門の事業を一部譲渡し、残存する不採算部門だけでは、キャッシュフローがマイナスであり、かつ事業の持続可能性がないという場合は、廃業、破産や特別清算により会社を清算します。

 会社だけでなく、保証人である経営者も債務整理の対象となります。破産や個人再生といった法的債務整理手続、「経営者保証に関するガイドライン」や特定調停などの準則型私的整理手続により保証債務を整理します。

 【コンサルティング】弁護士として債務整理手続の代理(保証人の債務整理手続の代理は会社との顕在的な利益相反がない場合に限ります)

 

[Q&A]

 事業承継に関する施策は「Q&A:事業承継」をご覧ください。


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