固定合意・除外合意が発効するための経済産業大臣の確認とは?
事業承継における遺留分の固定合意・除外合意をした後継者は、合意をした日から1か月以内に、次の事項について、経済産業大臣に対し、確認の申請をすることができます。
- 固定合意・除外合意が中小企業の経営の承継の円滑化を図るためにされたものであること。
- 確認申請をした者が合意をした日において後継者であったこと。
- 固定合意・除外合意をした日において、後継者が所有する中小企業の株式のうち合意の対象とした株式を除いたものにかかる議決権の数が総株主の議決権の100分の50以下の数であったこと。
- 当該後継者以外の推定相続人がとることができる措置に関する定めをしていること。
後継者が単独で確認申請できることがポイントです。
後継者は確認申請書を経済産業大臣に提出するのですが、その際には、除外合意に関する書面、印鑑登録証明書、定款、登記事項証明書、従業員数証明書、貸借対照表・損益計算書・事業報告書・附属明細書、上場会社に該当しない旨の誓約書、戸籍謄本、株主名簿等の書類を添付します。固定合意の場合、弁護士等が相当な価額であるとの証明を記載した書面を提出します。
経済産業大臣の確認を受ける前に、固定合意・除外合意をした後継者が死亡したときは、その相続人は確認を受けることができません。経営者の生存中に後継者が死亡することは除外合意の効力消滅事由とされているからです。
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