【事案と受任前】
カイロプラクティック教室を経営している会社が、許諾もなく出版された書籍を複写し、これを生徒に教材として配布して、著作権(複製権)を侵害した事案です。
相手方は新潟に所在して遠方でしたが、当職が代理人に就任して必要な準備を整えた上で、著作権侵害物である教材複写物等を保全することにしました。
【弁護活動と結果】
新潟地裁に証拠保全を申し立てたところ、新潟地裁は証拠保全を決定し、執行しました。これにより証拠保全はできましたが、それだけでなく、執行中に教材をスキャンした電磁的記録を保存した光磁気ディスク(MO)5本を発見し、相手方の承諾を得てこれを回収しました。これにより証拠を確保するだけでなく、さらなる著作権侵害を防止しました。
【解決のポイント】
証拠保全の結果、MO5本の所有権を放棄すること、現在受講中の生徒に配布した教材複写物を回収するとともに、出版物を教材として購入して配布すること、将来入学する生徒に出版物を教材として購入して配布すること、損害賠償金を支払うことなどを内容とする示談が成立しました。
訴訟をせずに、判決を超える成果を獲得し、著作権侵害を是正、防止しました。