解決のポイント:中古自動車に欠陥があるとして売買契約を解除されて代金の返還を請求されたが、少額で車両を買い戻すとの和解が成立した事案

【事案と受任前】

 中古自動車を販売したところ、エンジンより異音や白煙の噴出が認められ、エンジンに欠陥があるとして売買契約を解除されて代金の返還を請求されたことから、当職が代理人に就任しました。

【弁護活動と結果】

 欠陥がなかったことを主張したところ、売買代金返還請求訴訟を提起されたので、訴訟において、納車時の点検では異音や白煙などのエンジン・トラブルは確認されておらず、納車後にトラブルが発生したのは買い主が運転中にギアチェンジをミスしたことが原因であると主張しました。

 これを証明するため、納車時に買い主が車両を確認して署名した受領書を提出するだけでなく、陸運支局に対し弁護士会照会をして自動車検査票を取り寄せ、納車前に陸運支局で実施した予備検査においてエンジンより異音や白煙が確認されていないことを明らかにするとともに、自動車の取扱説明書を提出してギア操作を誤る可能性があることを指摘しました。

 すると、買い主より買戻しによる和解が提案されたのですが、既に欠陥が発生している状態でしたので、依頼者としては買い戻すことに消極的でした。しかし、裁判官からも、納車時に契約不適合がなかったことを前提にした金額で買い戻すことを勧められたことから、売値の約6分の1に相当する金額で買い戻すとの和解が成立しました。

【解決のポイント】

 買い主側がエンジンの欠陥を証明する客観的な証拠を提出できていなかったのですが、売り主側より積極的に納車時に欠陥がなかったことを証明する客観的な証拠を提出したことから、裁判官には、エンジン・トラブルの原因が買い主の運転操作のミスの可能性が高かったことが理解されたと考えています。

 丁寧な主張と証拠提出により、勝訴的な和解を勝ち取ることができました。

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