個人情報保護法は、要配慮個人情報を取得する際には原則として本人の同意を得なければならないと定めています。労働者の健康情報は、要配慮個人情報に当たることが多いでしょう。そのため、健康情報は、就業上の配慮を行い、使用者の安全配慮義務を履行するために利用するとの目的を特定した上で、労働者本人から同意を得て取得します。
健康情報の管理は、事業場内に産業医や保健師などの産業保健スタッフがいればその者が一元管理し、医療職がいなければ衛生管理者(衛生推進者)など健康情報を取り扱う者を限定し、就業規則や労働契約書において守秘義務を課すことが肝要です。
労働者に就業上の配慮をするに当たっては、職場の上司に健康情報を提供することが必要となりますが、その場合も本人に説明をして同意を得るだけでなく、健康情報を提供することにより本人に不利益が生じないようにしましょう。
本人の同意が得られても、誤解や偏見が生じないよう、病名や治療内容をそのまま伝えるのではなく、具体的な配慮事項に絞った形で医療職が必要に応じて加工して提供することが必要です。ただし、重大時や緊急時に本人の同意を得ることが困難である場合は、必要最小限の健康情報を、必要最小限の関係者に提供することになります。