脳・心臓疾患と精神障害の労災認定基準における長時間労働

 精神障害の労災認定基準は、業務による心理的負荷の極度と認められる「特別な出来事」を列挙し、この出来事が認定されれば、業務以外の心理的負荷要因や個体側要因を考慮することなく、心理的負荷の強度を「強」と評価します。

 極度の長時間労働も「特別な出来事」に当たります。極度の長時間労働とは、発病直前の1か月に160時間を超えるような、またはこれに満たない期間にこれと同程度の(例えば3週間に120時間以上)時間外・休日労働を行った場合をいいます。1か月160時間超または3週間120時間以上というのが基準ですが、前者は4週間または160時間以上、後者は120時間超ではありません。

 これに対し、業務以外の心理的負荷要因や個体側要因も考慮した上で心理的負荷の強度が「強」と総合評価される長時間労働は、発症直前の連続した2か月間に1か月当たり120時間以上、発症直前の連続した3か月間に1か月当たり100時間以上というのが基準です。この場合は、いずれも120ないし100時間以上です。

 他方、脳・心臓疾患の労災認定基準における長時間労働は、発症前1か月間に100時間を超える時間外・休日労働、または発症前2~6か月間に1か月当たり80時間を超える時間外・休日労働をいいます。いずれも100ないし80時間超となりますので、時間数とともに、「以上」か「超える」か、期間が月単位か週単位かを混同されないようご注意ください。

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