時間単位年休と半日単位年休は併存できるか

 就業規則を変更して時間単位年休を導入する場合、従前認めてきた半日単位年休を廃止しなければならないのでしょうか。

 結論として、時間単位年休と半日単位年休を併存させることはできます。

 まず時間単位年休について、年次有給休暇は日単位による取得が原則ですが、労使協定により5日の範囲内で時間を単位とする年休を取得することができます。所定労働時間が1日8時間であれば、時間単位年休は40時間分が上限となります。

 時間単位年休が導入されても、半日単位年休の取扱いに変更はなく、両者は併存しますので、極論を言えば、年休の日数20日のうち、5日分を時間単位年休、15日分を半日単位年休として取得することは可能です。ただし、あくまで日単位が原則なので、極論のような取り方を人事部が推奨することは控えた方がよいでしょう。

 両制度が併存するので、従業員が4時間の年休を取りたいという場合は、時間単位年休の日数に上限がある以上、半日単位年休を取得させた方が従業員に有利となります。

 なお、当該年度に取得されなかった年次有給休暇の残日数・時間数は、次年度に繰り越されることとなりますが、労働基準法上、次年度の時間単位年休の日数は5日の範囲内となり、前年度からの繰越分が合算されることはないということです。つまり、当該年度で2時間分を残したとしても、次年度の時間単位年休が42時間分となるのではなく、40時間となります。この点は導入時に周知した方がよいです。

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