医療の発達により、がん、脳疾患や心臓疾患などにかかった労働者(以下「がん患者等」といいます。)で治療を余儀なくされても、長期に療養し、仕事を続けられないというケースが少なくなってきました。そうであれば、がん患者等に就業上の措置を実施したり、安心して療養に専念させたり、適切な職場復帰支援をしたりすることにより、がん患者等が健康を回復させて働くことができます。特に少子化により若い労働者が減少している状況下で優秀な人材を保持するためには、将来をも見据えた職場復帰支援が必要です。
他方、職場復帰の支援をする際には、手数がかかっても、手続ごとに文書を作成し、また労働者に説明をすることにより、労働トラブルが発生した場合でも、安全配慮義務の履行を証明することができます。
弁護士佐久間大輔は、脳腫瘍(脳悪性リンパ腫)により脳機能が低下したケースにつき、試し出勤の指導をしました。クライアント企業は、主治医や産業医から意見聴取をしつつ、休職期間も延長して4回の試し出勤を実施するだけでなく、東京障害者職業センターの訓練コースを受講させたものの、日常生活にも支障を来している状態でしたので、復職基準を充たさず退職扱いとしました。このケースでは退職前から当該労働者が弁護士を代理人に立てていましたが、試し期間中の賃金を請求してきたものの、退職の効力を争うことはありませんでした。丁寧な対応をすることにより退職に関する紛争を回避できた事案です。
これまで労働事件を受任してきた実績と経験に基づき、がん患者等も含めた休職・復職規程や休職・復職支援プログラムの策定、これに伴う就業規則の見直し、休職・復職の手続上必要な文書、がん患者等を対象とした職場復帰支援プランの策定・運用・改善をコンサルティングします。
がん患者等が職場復帰をした際には、再休職や退職に至らないよう周到な準備と適時に適切な対応が必要となりますが、仮に労働トラブルに発展しても、具体的な事案の相談対応をしていた弁護士がワンストップで代理人に就任し、一貫した対応をすることができます。
休職・復職の制度構築や体制整備等により労働トラブルを予防するためのリーガルサポートが必要でしたら、お気軽にご相談ください。