就業規則を変更して、土日の週休2日制をやめて土曜日を出勤日とし、特定の曜日の労働時間を削減したり、休憩時間を増やしたりするものの、週の所定労働時間や拘束時間を変更しないという場合、就業規則の変更は有効となるのでしょうか。
労働契約法は、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働者側との交渉の状況その他の事情に照らして不合理なものであるときは、変更の効力を有しないと定めています。
土曜日も出勤日とすることに業務上の必要性があればよいですが、単に残業代を減らしたいということであれば、就業規則を変更する必要性が否定される可能性があります。
週休が2日から1日に減少すること、休憩時間の増加により1週間の拘束時間が増加すること、それに伴い残業代も減少するというのであれば、労働者に不利益があるといえます。
また、週休2日制が普及している現在、1週間の拘束時間を増加させて土曜日も出勤日とすることは社会的に相当ではないと評価されるかもしれません。
このような就業規則の変更を一方的に行うと、裁判所において就業規則の変更が無効と判断されることになります。
就業規則の変更が有効となるために、使用者としては、労働者に対し、就業規則を変更する必要性を十分に説明するとともに、不利益を緩和する措置を設けた方がよいでしょう。