メンタルヘルス対策・過労死防止
1. 使用者の過労死防止義務と損害賠償責任
精神疾患の労災請求件数は2009年度に初めて千件を超えて高止まりしており、認定件数も最高水準に達しています。精神疾患事案の件数はいまや脳・心臓疾患事案よりも多くなりました。
労働基準監督署長が労働災害(労災)と認めたということは、使用者の災害補償責任が認められたということです。
労働基準法上の災害補償責任と民法上の損害賠償責任はその発生要件がイコールではありませんが、責任発生の基礎となる長時間労働やパワーハラスメントなどのストレス要因は共通していますから、労災認定がなされたことは使用者の損害賠償責任が肯定される可能性が高まったといえます。
労災申請と同様に、精神疾患・過労死事案において、使用者の労働時間管理等に問題があるとして、使用者の損害賠償責任を認めた裁判例が増加しています。パワハラが原因による事案も増えてきており、問題はますます深刻化しています。
労働者側から損害賠償請求をされた場合、労働紛争を解決するには、労使双方にエネルギーを消耗しますし、コストや時間もかかります。
そこで、使用者としては、人事労務管理の態様がどのような場合であれば労働災害(労災)と認められるのかを見極めなければなりません。
2. メンタルヘルスケア、過労死防止対策
使用者は、労働者の精神疾患や過労死が発生して損害賠償請求がなされた場合に被災者側の心情を汲みつつ適切な対応することも必要ですが、まずは労働者が健康に働くことができるよう予防策を講じる方が重要です。
そのために使用者は、メンタルヘルス不調や過労死を発生させないよう予防措置を講じ、病気になったら早期に治療を開始し、必要であれば休職して療養に専念してもらうことが必要です。これがリスクマネジメントにつながるのです。
精神疾患・過労死防止の一助として、弁護士佐久間大輔が作成した、
「精神疾患・過労死を予防するためのチェックリスト」
がダウンロードできますので、ご活用ください。
弁護士登録以来、労災・過労死問題に取り組んできた実績と経験を活かし、労働者の安全や健康を守るために企業として取るべき方策についての相談、健康をめぐる労使紛争の発生・拡大を防ぐ相談、労働者や職場の理解が得られる紛争対応に関する相談に応じます。事案によっては代理人として交渉や裁判の対応をすることもでき、ワンストップで相談を承ります。
詳しくは「メンタルヘルス対策リーガルサポートサービスの内容」をご覧ください。
[サービス料]
リーガルサポートサービスの料金については、「メンタルヘルス対策の制度構築サービス料」、「労働問題の個別案件対応サービス料」をご参照ください。